アミノ酸の有効性の臨床結果について。
ダイエットや美肌で注目を集めているアミノ酸ですが、他にも、様々な有効性などの臨床結果があります。
少し難しいのですが、一例を紹介します。
アミノ酸の必要性
ダイエットや美容など、数多くの効果を持つアミノ酸ですが、本当にそのような効能があるの?と疑問に思う人もいるかもしれません。
これまでに、たくさんの臨床試験を実施し、多くの有効性が示されています。
臨床試験は、実際に実験を行っての結果なので、非常に信頼性が高いデータです。
下記より、それぞれのアミノ酸の持つ有効性を紹介します。
下記文中の緑の文字については、(独)国立健康・栄養研究所などから引用しています。
ロイシン
筋肉消耗の改善などを行うことから、スポーツ選手には欠かせないようです。
食欲不振に対して経口摂取で有効性が示唆されている。高齢で栄養不良の透析患者の食欲不振を軽減し、全体的な栄養状態を改善する。
潜在性の肝性脳症に対して、分岐鎖アミノ酸経口摂取で精神運動機能および運動能力に改善がみられたという報告がある。
運動中の筋肉消耗を低減するために経口摂取で有効性が示唆されている。
イソロイシン
ロイシンと同様の効果が期待出来るようです。
食欲不振に対して経口摂取で有効性が示唆されている。高齢で栄養不良の透析患者の食欲不振を軽減し、全体的な栄養状態を改善する。
がん患者の食欲不振に対しても有効であるとする予備的な知見もある。
運動中の筋肉消耗を低減するために経口摂取で有効性が示唆されている。
バリン
運動の筋肉消耗を低減するだけでなく、肝性脳症にも有効性が示されているようです。
食欲不振に対して経口摂取で有効性が示唆されている。高齢で栄養不良の透析患者の食欲不振を軽減し、全体的な栄養状態を改善する。
慢性の肝性脳症に対して、経口摂取で有効性が示唆されている。分岐鎖アミノ酸は慢性肝性脳障害患者の肝機能試験および窒素バランスを改善するという報告がある
予備的な臨床知見によると、分岐鎖アミノ酸の経口摂取で脊髄小脳変性の症状に効果があるという報告がある。
運動中の筋肉消耗を低減するために経口摂取で有効性が示唆されている。
トリプトファン
精神の安定に関与しており、月経前のイライラなどの不快な症状や、うつ病などの改善を行うようです。
月経前不快気分障害(PMDD)の患者71名(試験群37名)を対象とした無作為化二重盲検プラセボコントロール試験において、トリプトファンを6g/日、17日間摂取させたところ、気分の変調、緊張、イライラなどの症状が改善されたという報告がある。
うつ病の入院患者24名(試験群13名)を対象とした無作為化二重盲検プラセボコントロール試験において、クロルイミプラミン50mg/kgにL-トリプトファン300mg/日を28日間併用させたところ、クロルイミプラミン単独摂取よりハミルトンうつ病評価尺度を改善したという報告がある。
内因性うつ病の女性患者24名を対象とした無作為化二重盲検プラセボコントロール試験において、クロルイミプラミン150mg/日にDL-トリプトファン0.1g/kg体重/日、3週間併用摂取させたところ、クロルイミプラミン単独摂取より症状の改善が認められたという報告がある。
スレオニン
脊髄痙縮を改善する効果があるようです。
脊髄痙縮に対して有効性が示唆されている。6g/日摂取で痙縮を緩和したという報告がある。
メチオニン
大腸がんに対しての有効性があるようです。
大腸がんに対して予備的な知見。食事から摂取するメチオニンと葉酸の量が多いと、特に大腸がんの家族歴があり、アルコールを多量摂取する人において、リスクを低下させるという報告がある。
コバラミン欠乏症に対する予備的な知見。手術前にメチオニンを摂取すると、亜酸化窒素の長時間使用によるコバラミン欠乏症を予防することができるという報告がある。
フェニルアラニン
パーキンソン病の症状を軽減する報告があります。
1980年前後の臨床知見によると、うつ病の治療にL-あるいはDL-フェニルアラニンが経口摂取で有用であるという報告がある。
ある臨床知見によると、D-フェニルアラニンが経口摂取でパーキンソン病の症状を軽減するという報告がある。
白斑の治療にL-フェニルアラニン経口摂取、あるいは外用と紫外線A波照射との組み合わせで有効性が示唆されている。
リジン
ヘルペス感染の治療を早める有効性があるようです。
単純ヘルペス感染の再発を低減し、症状を軽減し治癒を早める目的での経口摂取は有効性が示唆されている。